Eight Days A Week - 働く母は週8日営業

元DeNAwebディレクター、現在北陸で夫と共にビジネスを営む35歳ワーキングマザー。マメ(息子・6歳)、アズキ(娘・3歳)、フットワークの軽すぎる夫との4人暮らし。

子どもが片付けできないのは親のせいです

働く母としては日々チェックが欠かせない日経DUAL

仕事と育児を両立する父親・母親向けの記事が集まっており、色々とためになります。

 

そこにこんな記事がありました。

夫がゴミをゴミ箱に入れてくれません | 海埜ゆうこ いい年ですが……わたし子育てに自信がもてません(汗) | 日経DUAL

いわゆる育児マンガですが、会員ログインしないと閲覧できないので簡単に内容を説明すると、

マンガ家である作者(女性)の夫は、自室は汚部屋、ゴミ箱がすぐそばにあってもゴミをその辺に放置するなど、片付け・掃除のできない人間。

あの手この手で注意し続けて8年経っても一向に改善されないのだとか。

4歳の娘も夫に似て片付けられない子に育っており、2人の散らかしぶりにイライラさせられる日々…

という内容。

で、作者の落としどころとしては、「人に言われなくてもすすんで完璧に片付けが出来て当然」という理想を求めるのはやめて、具体的なルール(「リビングに私物を放置しない」など)を決めてひとつひとつ守ってもらうようにする、というものでした。

 

ただここで気になる表現が…。

 そもそも私自身はたまの大そうじとかDIYがすきなんです

(こまめなそうじはまた別)

え~。

「こまめなそうじはまた別」って…。

この人が夫や娘に要求してるのって、出したパソコンをしまうとか、使ったおもちゃをしまうとか、「こまめなそうじ」そのものじゃん。

何を「こまめなそうじ」とするか次第じゃん。

 

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photo by Noliv O

 

あの、人によって「お片付けの最低限ライン」って全く異なると思うのですよ。

 

例えば食事後の食器洗いひとつをとっても、 

  • LEVEL0 食べ終わった食器をテーブルに放置
  • LEVEL1 食べ終わった食器をシンクに運ぶ
  • LEVEL2 食べ終わった食器をシンクに運んで水洗い(水漬け)だけする
  • LEVEL3 食べ終わった食器をすぐ洗う
  • LEVEL4 食べ終わった食器をすぐ洗ってすぐ拭いて食器棚にしまう
  • LEVEL5 食べ終わった食器を洗って食器棚にしまい、更にガスコンロの汚れも掃除

と、これくらいの遂行レベルがあると思います。

どこまでを「最低限ライン」として求めるかって、人それぞれかなり基準が異なると思いませんか?

 

更にそのラインにはWANT(のぞましい)とMUST(必須)があって、

「本当はLEVEL4までやるのが理想だけど、実際はLEVEL2までできていれば合格点かな」

など、自分なりの基準がそれぞれ存在するはずです。

 

ちなみに我が家の場合だと、旦那さんのWANTがLEVEL1、私のWANTがLEVEL3&MUSTがLEVEL2。

そして実際はLEVEL2どまりが多いのですが、そうなると、旦那さん的には自分のWANTレベルに到達しているので特に不満はなく、私は自分のWANTレベルに到達していないので「あ~、洗わずにシンクに放置してるの、気になるなあ」とモヤモヤすることになります。

でも、少なくとも私のMUSTレベルには達しているので、面倒だとか忙しいだとかの理由で「まあいいか、仕方ない」とは思えます。

(もしこれがLEVEL0の状態だったならば、どんなに面倒で忙しかろうと、食器をシンクに運ぶことだけは絶対にやると思います。)

 

ただしこの現状、私の母が同居していたらきっと軋轢が生じるでしょう。

というのも母はWANTがLEVEL5、多分MUSTでLEVEL3か4のタイプ。

LEVEL2に甘んじている我々と暮らしたらストレスは半端ないと思います。

 

つまり何を言いたいかと言うと、

このマンガ家さんの価値観は個人的なものにすぎないのに、さも絶対的なものであるかのように描かれているんですよね。

彼女だって、私の母のようなタイプから見たら「こまめなそうじも出来ないだらしない人間」という判断をされる可能性がありながら、自分の夫や娘のことを「片付けの出来ないだらしない人間」と断じているわけで、ずいぶん自分本位だよなあ、と思ったという話です。

 

そして、彼女の夫の方は年齢的に今さら矯正不可能かもしれませんが、少なくとも娘さんがお片付けを出来ないのは夫の遺伝(と作者は表現しています)だとかは全然関係なくて、ただ単に「父と母が片付けないから自分もそれに倣って片付けない」だけだと思います。

マンガ中にこんなくだりがあります。

私は自宅で仕事しているので仕事部屋があります。

仕事柄もあってものは多い方です。

特に本とかの紙類(たまに本の山が崩れてきたり本棚自体が崩壊したことも…)

 うーん…私から見れば、そんな仕事部屋の状態と、おもちゃを片付けない娘さんに大差はない気がします。

 

本が本棚に入っている状態があるべき姿とします。

娘さんも4歳にもなれば、「本が片付いている」=「本が本棚に入っている」という状態であることはおそらく理解しているでしょう。

でもお母さんの仕事のお部屋では、本が床に平積みされている。

積んだ本人は「本棚に入りきらないから仕方なく」「すぐ使うから手に取りやすいように」など理由はあるかもしれません。

でも娘さんにしてみればそんな言い訳は関係なく、現状・結果だけを見て「本は、片付いている状態にしなくてもOKなんだ」と思うでしょう。

そしてお母さんにとっての本は、娘さんにとってのおもちゃ。

娘さんだって「おもちゃはまた明日も使うから、使ったままで置いておけばいい」と思って当然だと思うのです。

 

私は、私の母のレベルには達せないものの、それなりに片付け好きな方です。

一方旦那さんは、散らかっていても基本気にならないタイプ。

すると生活の節々で私がストレスをためる事が出てくるのですが、結局人それぞれ感じ方は違うのだから、気になるなら自分でやれよって話になってくるわけです。

 

お風呂場の脱衣所の床に髪の毛が散っている…

おもちゃを片付けさせずに寝かしつけに行ってる…

コーヒーの飲み残しがそのまま…コーヒー渋がこびりつく…

パジャマを洗濯カゴに入れずに、新しいの出して着てる…

ケトルの本体がシンクに放置されてる…しかも何で蓋だけ食器棚なの…

 

などなど気にし出すとキリがないけれど、自分だって別の部分では非常にだらしない所もあります。

例えば、洗濯後アイロンが必要な服をすぐにアイロンせずいつまでもリビングルームに吊るしたままにしたりとか、読みかけの本をちょいっと出窓においてそのまま何週間も読まずに放置、とか。

上掲の例だと、私の中で「やりかけているモノはそのまま置いていてもいい」という自分基準があるんですが、何でそれが良くて旦那さんのがダメなのか、そこには全然ロジックがなくて、単に「自分が許せるか否か」という自分本位な基準でしかないのです。

  • 脱衣所の床に髪の毛が落ちていようが、次掃除機かける時綺麗になりゃいいじゃん。
  • 読みかけの本を放置していようが、これから読む予定なんだからいいじゃん。

という両者の主張に明確な違いなんてないのです。

 

という訳で、どうしてもという部分は旦那さんに注意し(と言いつつこれが結構多いんだけど…反省)、それ以上のラインと思ったら一人で片付けて、という日々を送っています。

 

でも不思議とそんなことを続けていると、結局は家族も徐々に片付けるようになるんですよね。

 2歳のマメ(息子)も、毎晩寝る前に「もうねんねだからお片付けしようね」と言うと、驚くほど素直に自分でおもちゃを片付けてくれます。

(しつこく声をかけて促したり、半分以上手伝ったりはしますが)

もちろん最初は全然片付けなんか出来なかったけれど、それでも毎日「お片付けしようね」と言いながら、あるいは何も言わず、ご飯の前、お出かけの前、寝る前などせっせと我々両親が片付けてきた積み重ねで、「生活の区切りにはお片付けするものなんだ」と学習しているのです。

もちろん、マメのおもちゃだけでなく、洗濯物、食器、脱いだ後の服、本など、あらゆるものを日々片付けることで、彼の中で矛盾なく「お片付け」という行為が認識できているのだと思います。

 

旦那さんも日々私に小言を言われっぱなしですが、一人暮らしをしていた頃の彼のワンルームとは比較にならない驚くべき整理整頓ぶりを発揮してくれています。

決して彼の性格が変わったわけではなく、私がうるさいから仕方なくだとは思いますが…。

それでも、私が片付けてる中自分が散らかすのは申し訳ないと思って私の細かさに合わせてくれており、感謝しきりです。

ほんとに、色々と口うるさい嫁で申し訳ありません…。

 

 

とまぁそういうことでまとめますと、

もし「うちの子は全然片付けが出来ない!」と嘆いている親御さんがおりましたら、一度自分たちの生活全体の「片付け」に関して、矛盾や都合のいい言い訳はないか、考え直してみてはどうでしょうか。

 

片付けが出来ない子なんていない。

片付けを学ぶ環境がないだけだ、と私は思ってます。