Eight Days A Week - 働く母は週8日営業

元DeNAwebディレクター、現在北陸で夫と共にビジネスを営む35歳ワーキングマザー。マメ(息子・6歳)、アズキ(娘・3歳)、フットワークの軽すぎる夫との4人暮らし。

無痛分娩体験記〜計画分娩前に陣痛が来たver.

こんにちは、ミユキ(名字)です。

現在第二子妊娠中です。

私は、第一子のマメ(息子)も第二子も無痛分娩を選びました。

今ではだいぶ市民権を得た感のある無痛分娩ですが、それでもまだ少数派なので、無痛分娩にするか悩まれる妊婦さんも多いのでは?

個人的には、抜歯や手術で麻酔を使うのは当たり前なのだから、子どもを産むのだって麻酔を使うのが自然の事だと思っており、無痛分娩を選びました。

今回は、私の個人的な無痛分娩の体験談です。

 

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無痛分娩とひとくちに言っても、産院によって方針は異なります。

第一子を産んだのは成城マタニティクリニックという病院でした。

ここは完全計画分娩*1方式を採っていました。

が、私の場合は妊娠最終週で予想外に経過が早まったため、入院より先に陣痛が来てしまいました。

 

出産前々日

妊娠39週の検診で「全然兆候がみられないので、予定日は過ぎると思います」 と言われ、焦った私は翌日、夫婦で長時間ウォーキング。

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(あ、陣痛来ちゃった…ごっこをする私)

 

すると数日後、入浴中に突然お腹がキュッと締まり、収まったと思ったら十数分後にまた同じ痛みが来ました。 

一瞬陣痛を疑ったものの、痛みは軽い生理痛レベルだし、予定日前だし、「何か陣痛っぽいの来た(笑)」 とのんきに夫に報告して様子見。

結局一晩中、弱い痛みが十数分ごとに訪れ続けました。
(と言っても途中で寝落ちしてしまった)

 

出産前日

引き続き十数分間隔の痛みが続いていたので6時に病院に連絡。

事前の説明では「陣痛間隔が10分になったら入院」と言われていましたが、直前の検診で全く兆候がなかったという事もあり、 6~7分間隔になってからまた連絡してくださいとのこと。

夫は会社に欠勤連絡。

じきに間隔は7分に縮まるものの、相変わらず痛みは弱いので様子見。

お昼前には破水したような感触もあったけれど、ただの水っぽいし、たいした量でもない。 

でも破水=即入院なので、万一を想定して病院に2度目の連絡し、入院決定。

が!家を出た途端、それまでずっと規則的だった陣痛は弱まり、病院に着いて内診したところ破水もしていないとのこと。 

 「今の状態だとどれくらい時間がかかるか分からないので、申し訳ないですが一度ご帰宅ください…」と言われてしまいました。

 

無痛分娩前は絶食する必要があり朝から何も食べていなかったので、がっかりしながら帰宅途中で激辛坦々麺を食べました。

でもこの頃にはまた陣痛間隔が7分程度に戻り、おしるしもありました。

アイタタタ…と呻きながら、来るべき出産に備えて夕方3時間ほど仮眠。 

痛みはじわじわ増し、陣痛の度に目を覚ます状態でした。 

 

そして夜、いよいよ耐え難くなってきたので再度病院へ連絡し、タクシーで向かいました。

 22時前に病院に到着。

内診の結果、子宮口が1cm開いていますとのこと。

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 

家族は一緒に泊まれないので夫は帰宅。 心細いけど仕方ありません。

 

ウンウン唸りながらベッドに横になったものの…。

ちょっと何これ、マジ痛い…。

 

助産師さん「うまく子宮口が開いてくれば明日の朝にはお産ですからね~」 

 

え?明日の朝って、今から何時間後よ? 

その間ずっと痛いの?どうすんの?死ぬよ?

「何かあったら呼んでくださいねー」とナースコールを渡され、悪夢の一夜が幕を開けました。

 

正直、痛みのこととかナメてたんですよ。 

まぁ、なんだかんだ言っても無痛分娩。 

「無痛」と言っても完全に麻酔を効かせてしまう訳ではない(陣痛の波が分からなくなり、かえってお産が長引くため)ので、ある程度痛みが残るように麻酔量を調整するのですが、 きっとお産をじっくり楽しめるくらいの余裕はあるだろうと。 

 

でもですね、その前段階の陣痛がこんなに痛いと思ってなかったんですよ。 

私アホなんで、痛いのって分娩台乗っていきんでる間だけだと思ってたんですよ。 

それが、陣痛って発狂するほど痛かったんですよ。 

「これヤバい、耐えられない」と本気で思い始めたのが23時頃。

深夜なので既に先生は帰宅されています。

この産院で麻酔を扱えるのは院長先生だけで、先生がいない以上麻酔を入れてもらうことはできません。

先生が来てからの分娩開始が「翌朝」という事だったので、 この病院の言うところの「翌朝」が朝8時だとしたら、あと9時間もこの苦しみが…? 

 

この頃には陣痛間隔はきっちり3分間隔。 

1分半の激痛と、1分半のインターバルが交互に訪れます。 

痛みがくると、あまりの激しさに全身が硬直して、汗が吹き出して、必死で枕元のタオルを探すのですが、意識が朦朧としてるからどこにあるか分からない。 

震えながら何とかタオルを探り当てて額に押し当て、声にならない声を上げてひたすら耐えます。

1分半が経過して徐々に痛みが引いていく中、余韻でしばらく体を震わせながら、この小休止の間に体勢を整えたり水を飲んだりしなければと思うのだけど、少しでも動くと痛みを呼びそうで怖くて動けなくて…。

そして間もなく次の陣痛が津波のように押し寄せてきます。

前方から自動車が暴走してきて、轢かれるのが分かっているのに逃げられない、というのが、その時の恐怖に近かったです。

そして見事に、下半身を轢かれる訳ですね…。

下腹部を車が何往復もしてるような気分でしたね…。

 

そんなのが何時間も続くと、前日の寝不足と極度の疲労のせいで、1分ちょっとの小休止に眠気がやってきます。 

意識が混濁していて、痛みが引くとそのまま浅い眠りに落ちるようです。 

で、そのウトウトから痛みに呼び戻される瞬間がものすごく怖いのです。 

死んだ方がマシってこういう事なんだと思いました。 

 

助産師さんの内診はおよそ1~2時間おき。 

指を中に入れて子宮口の開きを確認してくれるのですが、これが地獄の奥底に叩きつけられるほど痛く(笑)、なんてことをしてくれるんだ!と怒りをぶつける寸前でした。助産師さんは全然悪くないのでさすがに耐えましたが…。

しかも子宮口の開きも遅々として進まず、「まだですね」とか言われた時の絶望感と言ったら…。

明け方には、トイレに立った後病室のドアを閉める力もないほどフラフラで、病院中に絶叫を響かせていました。

 

そして6時半ごろの診察でようやく神の一言をいただきました。

「7時になったら分娩台に移動しましょう。先生も今からいらっしゃるので、来たら始めましょうね」 

 

出産当日

朝7時。何とか子宮口は8cmまで開き、感覚的にはもう赤ちゃんの頭が出てる気分

「何かある!ここに頭ある!出ちゃう!」って感じ。 

分娩室に移動して分娩台に乗り、いよいよ!と思ったものの、先生はまだ現れる気配なし。 

早く来い!早く来い!と呪いのように念じ続けていると、病院から連絡を受けた夫が到着。 

こんな朝早くから本当にありがとう…

でもあの瞬間だけは、到着したのが夫じゃなくて先生であってほしかった…

ほんのちょっとね!一瞬ほんのちょっと思っただけだけどね! 

 

夫は分娩台横で手を握ってくれました。

昨晩から悶え苦しみ、髪を振り乱したあなたの妻は今さぞかし醜いことでしょうね… 。

でもなりふり構っていられず、夫の手を握り締めて絶叫。 

辛うじて残る理性で「このままでは夫の手が複雑骨折しちゃう…!」と思い、手は離して分娩台のバーを掴むことにしました。

そして遂に待望の先生が登場。色々と声をかけてくれつつ、脊椎にチューブを固定して硬膜外麻酔注射。 

 

すると、信じられないほど瞬く間に痛みは消えていきました。 

 

背中から打つので横向きに寝るのですが、重力により、下側になっている半身にまず麻酔が効きます。 

その直後の陣痛は、見事に麻酔の効いていない方だけに襲ってきました。超痛かったけど、「体半分だけ痛い!」と妙な感動。 

そして間もなく両側に麻酔が回り、ようやく痛みから解放!!

ちなみに、麻酔は腰から下のみに緩くかかっている状態です。 

 

お腹に付けたセンサーで赤ちゃんの心拍数と陣痛強度がモニタリングされており、陣痛の波に合わせていきむよう指示されます。 

麻酔の影響で陣痛が弱まってしまったので、ごく弱めに促進剤を入れてもらいました。 

 

ちなみに麻酔量は妊婦自身で加減できるようにスイッチを渡されました。

麻酔が切れてきて痛みが激しくなったら、スイッチをカチッと押す事でまた少し麻酔が流されるのです。

痛みにビビって押し過ぎると陣痛も遠のいてしまうので我慢は必要ですが、先の陣痛が痛過ぎたので、基本的にはスイッチをそんなに使わずに耐えられました。

 

麻酔の効いた状態の陣痛は、それまでの悪夢と比較すると「え、何すかこれ生理痛すか?」と鼻で笑えるくらい超楽勝! 

お腹がぎゅうっと収縮するのを感じながら、思いきり力を入れます。 

 

ところでこの時初めて知ったこと。

いきんでいる間の赤ちゃんの心拍数は一気に下がるんです。

陣痛の間は160~170くらいあるのに、いきんでいる間は70くらいにまで下がります。 

それくらい、このいきんでいる瞬間、赤ちゃんにはすごい圧力がかかっているという事ですよね。 

子宮が収縮して彼を締め付けていて、彼は狭い骨盤の中で必死に外へ出ようとしているのです。 

私が一晩中陣痛で苦しんだのと同時に、赤ちゃんも苦しかったはず。 

そして私だけが一抜けで先に痛みから解放されたけれど、赤ちゃんには麻酔は効いていないので、彼は引き続き過酷な環境の中頑張り続けているという事になります。 

心拍数がみるみる減っていくモニタを見ていると辛くて、「これは早く外に出して楽にしてあげなきゃ!」と思いました。 

 

頭は見えているらしいのですが、なかなかお産は進みません。

吸引器を使って助けてもらい、立ち会いの助産師さんも知らないうちに3人くらい増えていて、「はい!深呼吸して!はい吸って、息止めて!」と指示してもらいます。 

麻酔が効いていても、赤ちゃんの頭がまさに出てこようとしているのが分かりました。 

 

そして遂に頭が完全に出て、すぐに全身も出ました。 

助産師さんが取り上げた息子を目の前まで運んできてくれた時は、まるで魔法みたいだ、と思いました。 

 

さっきまで存在しなかったものが、今、突然この世界に現れた!

 

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服をはだけて胸の上に乗せてもらった息子は、両胸の間に頭を横たえて私にぎゅっとくっついていました。 

何て言うか、可愛いなぁとか、嬉しいなぁっていう感じではありませんでした。 

ただ純粋にすごいなぁと。

こんな小さな体で10ヶ月もお腹の中にいて、ひとりで歩く事も出来ないのに、自分の力でちゃんと出てきたんだなと。 

産まれたばかりのほんの赤ちゃんでも、それだけの勇敢さと強さを持っていることを、すごく愛しいと思いました。 

 

その後2時間は分娩台に乗ったまま安静&カンガルーケアタイムです。

息子は簡単な検査を終えた後、再び私の胸の上に戻ってきて、夫と一緒に分娩室で親子3人の時間を過ごしました。 

 

 無痛分娩を振り返って

私の場合、想定よりも早くお産兆候(陣痛)が来てしまい、かつ入院が深夜だったため、陣痛中から麻酔を効かせる事が出来ませんでした。
おそらくどの産院でも、麻酔を扱える医師が24時間常駐しているわけではないので、無痛分娩を予定していても場合によってはかなり痛い思いをすることも覚悟しておかないといけません。
 
あと、例え予定通りの計画分娩であっても、陣痛の初っ端から麻酔を打つ訳ではなくある程度子宮口が開くのを待つので、陣痛から完全に解放されるわけでもありません
 
とは言え私も分娩台に移動した後は麻酔を打ってもらえて、お産自体はとても落ち着いて臨めました。
 
産後の体力回復も少し早かったかもしれません。
(普通分娩を経験してないから比較は出来ないけど)
マメの時は、病院にいるのが寂しくて退院を一日早めたほどです(笑)。
しかも夫は仕事で来れなかったので、退院日に近くのスーパーのATMで預金をおろして入院費を払い、マメと荷物を抱えて一人でタクシーで帰宅しました。
産まれてからが本当のスタートだと考えると、あまりにも体力を消耗するようなお産を避けられてよかったのかなと思います。
 
 
 
長くなりましたが、これから迎える第二子出産を目前に控え、心構えとして書いてみました。
 
さーて2人目は予定通りの入院か平日昼間の陣痛になりますように!
 
 
 
 
 
→(追記)無事に産まれました!第二子の出産体験記もよければどうぞ。

 

 

 
 
 
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*1:妊娠の経過を観察した上で入院日をあらかじめ決めておく