Eight Days A Week - 働く母は週8日営業

元DeNAwebディレクター、現在北陸で夫と共にビジネスを営む35歳ワーキングマザー。マメ(息子・6歳)、アズキ(娘・3歳)、フットワークの軽すぎる夫との4人暮らし。

マタニティマークを着けた妊婦に席を譲ることが当たり前の社会になるために必要なこと

こんにちは、ミユキ(名字)です。

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最近はマタニティマーク論争というものが起こっているようです。

「妊婦はマタニティマークを”これみよがしに”着けて権利を振りかざしている」という論調まで出てくる始末ですが、なぜ世間はこんな風に妊婦を批判する方向に向いてしまうのでしょうか。思うにこの手の意見って日本特有で、外国人は他者への親切をスマートに行う印象があります。

妊婦、お年寄り、身体の不自由な方、その他にも荷物が多くて大変そうな方とか、体調の悪そうな方などに席を譲る行為が当たり前の社会であってほしいと私は思っています。

では、日本人がもっと当たり前に電車で席を譲るようになるにはどうなればいいのか、考えてみました。

 

私も妊娠中、外国人に席を譲ってもらったことがあります

その方はラテン系の若いビジネスマンでした。

妊娠後期に入りどこから見ても妊婦の私はその日、会社帰りで終電間際の山手線に乗り込みました。

次の乗り換えを急ぎたかったので、走行中の電車内を降車駅の改札に近い車両まで歩いて移動していました。

既に0時を回った平日の電車は、時間が時間なので車内は空いていてどこでも座れる状態でした。

そんななか車両内を移動していると、前方の座席に座っていたその外国人男性がパッと私の前で立ち上がり「どうぞ!」と席を譲ってくれたのです。

席は他にもたくさん空いているのに!

まだ先の車両まで歩いて行くつもりでしたが、その男性の善意に応えたく、お礼を言って座らせてもらうことにしました。

男性はドア前に移動し、その後数駅先で降りていきました。降り際に私が会釈すると、男性も笑顔で応えてくれました。「ニコッ」と擬音が聞こえてきそうな素晴らしいスマイルでした(笑)。

妊娠中、幾度となく席を譲ってもらった経験がありますが、この時は特に、お互いに気持ちよく気まずさもなくコミュニケーションできたパターンでした。

 

席を譲るのが当たり前になるために必要なこととは

この例を含む、これまでの席譲られ経験から、「これができれば、妊婦(含む色々な方)に席を譲ることが当たり前の社会になるのではないか?」と感じたことがあります。

1.席を譲る時は躊躇しない

多くの日本人は、「席を譲る気がない」わけではなく「席を譲りたい気持ちはあるが実際に行動に移せない」のではないかと思っています。

マタニティマーク着けてるけど、お腹は大きくないし、しんどそうじゃないからいいか」

「自分の席から遠い所に立っているから、わざわざ声をかけるのは勇気がいる」

「既に誰かが声をかけた後かもしれない」

「自分が譲らなくても誰かが譲るだろう」

「いかにもいい事してるって感じで気恥ずかしい」

などなど、譲らない理由ばかり頭に浮かんでしまう…。これは妊娠を経験した私も同じです。

そうやって躊躇している間も誰も譲らない状態が続いたりすると、「自分だけ声をかけるのは恥ずかしい」とか「今更声をかけるのは不自然だ」という、ダメ押し状態になります。

 

でもどうか、こんな無意味な躊躇はせずに思い立ったら(少なくとも席を譲ってあげようという意思があるのなら)すぐ行動に移してあげてほしいと思います。

絶対に座りたくない妊婦さんならば、電車ではマタニティマークを目立たないようにするか隠すはずです。

さすがに自分から「席譲ってください」とは言えなくても、可能ならば座りたいと思っているからこそ、他の方に気付いてもらえるようにマタニティマークを着けているのです。

 

2.席を譲ってもらったら、可能な限り好意を受け取る

日本人はとってもハートが繊細で奥ゆかしい国民です。

私が第一子妊娠時、まだ席を譲られるという事に慣れていなかった頃やらかしてしまった経験を例に挙げてみます。

男性「ここ、どうぞ(と席を譲る素振り)」

私(あっ、ありがたい、でもいきなり「ありがとう」と言って座るといかにも待ってましたって感じで恥ずかしいし一旦…)

私「あ、いえ、大丈夫です…」

男性「あ、そうですかすみません…」

 

私(あっさり引き下がってしまった…素直に好意を受け取ればよかった…)

男性(勇気出して声かけたのに断られた…黙っときゃよかった…)

周囲の人(あの男の人断られてる…自分が声かけなくてよかった、恥をかくところだった)

 男性や周囲の人の気持ちは憶測にすぎませんが、結構当たってるんじゃないでしょうか。

まず、妊婦の私は、素直に席を譲ってもらえばいいものを「まず一度は断る」という無駄な日本人的ワンクッションを挟んでいます。

そして男性もまた日本人的に空気を読んで引き下がってしまいました。(そりゃ断られたから当然なんだけど)

更に周囲の人は、目立たず控えめに振る舞うには、席を譲るなどという「余計なこと」はしないにかぎる、と日本人的思考を強化してしまいました。

 

だから私は妊婦さんに言いたい。もし席を譲ってもらえたら、遠慮せずありがたく好意を受け取りましょう

「図々しいと思われるかも」なんて気にするのは、せっかくの他者からの好意を、自分が人からどう見られるか、なんていうつまらん見栄のためにないがしろにする行為です。

あなたが断ることで、シャイな日本人たちは、せっかく振り絞った勇気を打ち砕かれ、拒否されたことに傷つき、「もうこんな思いはしたくない」と、次から席を譲れなくなってしまうのです。

 

3.お礼を言う

私は、席を譲ってもらったら、相手か自分が電車を降りるタイミングでなるべくお礼を言うようにしていました。

電車を降りる人に向かって、席に座った妊婦さんが「ありがとうございました」と声をかけていたら、「あぁあの人は妊婦に席を譲ってあげたんだな」と周りの人に分かりますよね。

そんな光景をあちこちで見かけることで、席を譲るという行為は当たり前のこと、気持ちのいいことだという認識が広まってほしいという思いでした。

だから譲られた人は積極的に気持ち良くお礼を言ってほしいなと思います。

下を向きながら恐縮そうに譲られた席にそそくさ座る妊婦さんを見かける事は多いけれど、ぜひ笑顔で「ありがとうございます」と言い、できれば更に別れ際にも一言感謝を伝えられれば、みんな気持ちよくなれるんじゃないかな、と思います。 

 

結局は当たり前のことをする、ということ

身も蓋もない結論ですが、要はシンプルに、困っている人には当たり前に親切を行って、当たり前にその善意を受け取れるような社会になるといいな、ということです。

そして小さい子どもを持つ親となった今、電車では基本周りに迷惑をかけることしかないので、みんな気持ちいい社会にするためには自分はどうすればいいか、まだまだ考え続けないといけないなーと思います。

それではまた。



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