スプーンは「ぷちゅーん」。幼児的言い間違いの醍醐味「音位転換」って何?
こんにちは、ミユキ(名字)です。
2歳3ヶ月くらいからマメ(息子)の発話能力はぐんとアップしてきました。
でもまだまだ、うまく発音できなかったり、ことばを間違えたりもするわけで、それがまた親としては可愛いのですが、ある種の「言い間違い」に一定の法則があることに気付きました。
それが、「スプーン」→「ぷちゅーん」型の言い間違い、専門用語で「音位転換(または音位転倒)」と呼ばれるものです。
幼児的言い間違いあれこれ
1.器官の未発達に起因するもの
たべゆ(食べる)のような言い間違いは、単純に、発音の難しさから起きていると推測されます。
「る」の「R」は口の中で舌を巻き込むような動きをしますが、この舌の動きがおぼつかず、口の形が似ていて発音しやすい(=舌の動きがより平易な)「ゆ」になってしまうわけですね。
舌を巻き込む発音(ラ行)、口をタイトにすぼめる発音(ウ段)が特に苦手なように思います。
他には、同じ音の連続も幼児が苦手とする典型的なパターンです。いたーきますみたいなやつです。
逆に、幼児にとって発音しやすい音は、口を大きく開ける母音(あ・え・お)、舌や口の動きが平易な音(ア行・サ行・ハ行・マ行など)、拗音を含む音(シャ行・チャ行など)ではないでしょうか。
発音しにくい音はこれらの発音しやすい音に取って代わられる事が多いようです。
2.前後の音や関係性に引きずられるもの
こちらが冒頭に挙げた「音位転換」に当たるかなと思います。
アニメ「となりのトトロ」に出てくる、かの有名な言い間違い、とうもころし。
これは「ろ」と「こ」の位置が入れ替わる、つまり音位転換しています。
おたかづけ(おかたづけ)も同じ原理です。
私の解釈としては、これは「ろこ」「かた」など同じ母音の発音が続く際により起こりやすい気がします。
「とうもろこし」の「Ro」と「Ko」の場合、(舌を巻くRよりも)Kの方が幼児にとってはより発音しやすい。そのため、発音しにくい「Ro」を後に置いて、先に口に出やすい「Ko」が来るのではないでしょうか。
同様に「おかたづけ」の「Ka」「Ta」の場合は、喉を一度閉じてから空気と共に解放するKよりも、舌先だけで発音できるTの方が発音しやすいので、前へ出てくるのではないかと思います。
実際に発音してみると分かるのですが、
Tは口先で舌打ちするような動き、
Kは喉の奥を少し閉じてから、息とともに音を出す動き、
Rは巻き込んだ舌を奥から手前へ弾き出すような動きをします。
すると、T>K>Rの順に口・舌の動きが簡単なように思います。
さてこの音位転換は音節単位で入れ替わるだけでなく、子音単位・母音単位でも入れ替わるのが面白いところ。
例えば子音単位の音位転換例、ケパッチュ(ケチャップ) 。
KeCHaPPu
↓
KePaCCHu
と、子音(CHとP)の位置が入れ替わっていますが、母音(aとu)はそのままです。
我が家の場合
マメの場合は、この音位転換とその他の言い間違いがドッキングしていることが多いです。例を挙げると…
1.リュッスカック(リュックサック)
RYuKKuSaKKu
↓
RYuSSuKaKKu
これはシンプルに、母音はそのまま、KとSが入れ替わっていますが、
2.ぶししゃ(しょうぼうしゃ)
SHoBoSHa
↓
BuSHiSHa
一つ目のSHとBが入れ替わり(これだけなら「ぼうしょうしゃ」になる)、更に母音がなんらかの影響を受けて置き換わっています。
3.ぷちゅーん(スプーン)
SuPuN
↓
PuCHuN
SとPが入れ替わり、更にSが(より発音しやすい?)CHに置き換わっています。
4.じょじょみ(のぞみ)
NoZoMi
↓
JoJoMi
おそらくNとZが入れ替わり、更に両方とも発音しやすいJに置き換わっています。
全くの素人見解です
と偉そうに色々分析してみましたが、私は全くの素人なので内容の確からしさについては眉をビショビショにして判断していただければと…。
ただ、こんな風に「どうしてこんな言い間違いをするのかな?」と分析してみると、子供の言い間違いもより趣深くなるのであることよ。
ちなみに私がマメの言い間違いで一番好きなのは「ムノ(ぶどう)」です。
それでは今日はこの辺で。