Eight Days A Week - 働く母は週8日営業

元DeNAwebディレクター、現在北陸で夫と共にビジネスを営む35歳ワーキングマザー。マメ(息子・6歳)、アズキ(娘・3歳)、フットワークの軽すぎる夫との4人暮らし。

甘えさせてやるんじゃなかったの!?

こんにちは、ミユキ(名字)です。

 

タイトルは自分に向けた言葉です。ぜひ末尾に「(怒)」を付けて声に出して読んでいただきたい。

 

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 早いものでアズキ(娘)が産まれて半年近くが経ち、兄妹育児も慣れてきた…かに思えておりました。

しかし先日そんな自分の勘違いを叩き壊すようなショックな気付きがありました。

 

(photo by James Emery)

 

初めてのひとり育児 

我が家は現在、夫が起業による単身赴任中です。

私と子ども達は実母夫婦の家へ身を寄せ、五人生活を送っています。

そんなある日、仕事の都合で母達が三日ほど家を空ける事になりました。

母は

「一人で大丈夫?」

「お姉ちゃん夫婦に泊まりに来てもらったら?」

と心配してくれましたが、

「三日くらいなんとかなるよ」

とわりとのん気に構えていました。

しかし現実は、普段がっつり母達の手を借りて家事育児をしている日々からの急転直下で、朝から晩まで目の当てられないほどの大嵐が吹き荒れた散々な三日間でした。

 

全ての矛先は兄に向く

イヤイヤ期真っ只中のマメ(息子)は、ただでさえ一筋縄でいかない上に、相手してくれる大人が減ったことでいつもより甘えん坊・聞かん坊になってしまいました。

一方こっちはなるべく穏便にタスクをこなしていきたい一心。

そのせいですっかり余裕をなくしてしまうという逆効果。

 

私「さーて、お出かけするからおむつ替えるよ」

マメ「かえないよ」

私「でもオシッコしたでしょ〜パンパンだよ」

マメ「かえない」

私「え〜ほら〜替えようよ」

体に触れようとすると身をよじって逃げます。

マメ「いや〜」

私「でもおむつ替えないとお外に遊びに行けないでしょ。行かない?」

マメ「いく」

私「じゃあおむつ替えようよ」

マメ「かえないよ」

私「おむつ替えないんだったらお外行かないよ」

マメ「いや!いや!いく!」

私「じゃあおむつ!」

マメ「いや〜」

 

……。

 

私「いつまでゴチャゴチャ言ってんの!」

マメの抵抗を阻止して床に押さえつけ、ズボンとおむつを引きずり下ろします。

マメ「ない〜!あ〜!あ〜あ〜!」

私「替えるの!」

 

当然この後のマメの機嫌は最悪。次に続く「靴下履こう」「上着を着よう」もスムーズにいくわけがありません。

これも無理やりやらせて、さぁ外に行こうとアズキ(娘)の抱っこ紐を腰に付けたら

マメ「マメ!マメだっこ!」

私「マメは抱っこしないよ、アズキが抱っこだよ!」

マメ「だっこだっこだっこだっこだっこぉ〜〜〜!!だっこ〜!!!あぁぁぁぁぁ〜〜〜〜ああああっっこおおぉぉぉ〜〜〜…」

号泣…。

 

(誰のために公園に行くと思ってるのよ!

行きたいのはあんたでしょ!遊ぶのはあんたでしょ!

おむつ替えないで、上着着ないで、家にいたら、楽しくないのはマメじゃないか…!

だからこうして出かけようとしてるのに…!!

全部、全部、マメのためなのに…!)

 

私「じゃあもういいよ!もう公園行かない!やめた」

マメ「いやぁ〜いやああぁぁ〜〜いくぅぅ〜〜!!」

私「抱っこで公園行っても遊べないでしょ!!マメが悪いんだよ!行かないからね!」

マメ「いやぁぁ〜〜〜ママぁぁ〜〜〜あっこ〜〜あっこしてぇぇぇ〜〜〜」

私「抱っこしない!もう知らない!」

マメ「あっこぉ〜〜〜」

 

情けない。やり場のない気持ち。猛烈に悲しくなってきます。

 

あぁ、また怒りすぎた…。

 

どこかで読んだ「こどもの叱り方」みたいな内容が頭をよぎります。

 

「大きな声を出して怒ると子どもは思考停止してしまい、親の言葉は全く頭に入っていません」…

「怒る時は怒鳴りつけるのではなく静かに諭すように、くどくど言わず簡潔に」…

 

そうだよね、そうだよね、知ってる、分かってる。

 

「叱る前にまずは子どもの感情を受け止めてあげましょう」…

「子どもの気持ちの高ぶりがおさまったら、落ち着いた声でゆっくりと話を」…

 

そう、怒っても逆効果だよね。

分かってるよ。

分かってるよ。

泣きじゃくるマメを抱きしめます。

 

私「マメ、抱っこしてほしかったんだよね、分かってるよ」

マメ「うぁぁ〜〜あああぁぁ〜」

私「そうだよね、悲しかったよね」

マメ「ああああぁぁ〜〜」

私「でもね、マメ、アズキちゃんまだあんよできな」

マメ「ああぁぁぁ〜〜〜うう〜〜〜」

私「マメ、もうえんえんしないよ」

マメ「ママ〜〜〜ぁぁああ〜〜」

私「大丈夫だから、ね、ママのお顔見て」

マメ「う〜う〜」

私「ね、お話聞いてくれる」

マメ「う〜」

私「あのね、アズキちゃん、まだあんよできないでしょ。だからママはアズキちゃん抱っこするんだよ」

マメ「う〜…」

私「マメはあんよできるよね。だからママとおてて繋いで公園行こうよ、ね」

マメ「…」

私「おてて繋いであんよ、できる?」

マメ「……できる…(超小声)」

私「すっごい!すごい〜〜マメ〜さすが〜イエーイ!あんよで行くぞ〜!じゃあ、靴履こう!」

 

マメ「はかない」

 

私「え〜?履こうよ」

 

マメ「はかない。だっこするううぅぅ〜〜〜〜だっこ〜だっこだっこだっこだっこだっこだっこ〜〜〜!!」

 

もう大丈夫、軌道修正できた私、ちゃんと落ち着いて話したらほら分かってくれた、ちゃんとやれば大丈夫なんだ。

そうやって自分に言い聞かせてなんとか持ちこたえようとしている時に、また振り出しに戻ってしまう瞬間。

あ、もうダメだわ。と頭がまっしろ。

せっかくクールダウンできたと思ったのに、一瞬でまた沸点に達して、信じられないくらいの大声で怒鳴ってしまうのです。

 

私「いい加減にしなよ!!!」

 

こんな事を一日中、ずっとずっと繰り返し。

何度かは、手を掴んで無理やり引きずったり、手を振り払ったり、乱暴な事もしてしまったのです。

 

後悔先に立たず

怒りを爆発させた後は必ず「またやってしまった」と急激に情けなさや悲しさが襲ってきます。

だからすぐマメを抱きしめて

「ママ、大きな声で怒ってごめんね。痛いことしてごめんね」

と謝るのです。

そして謝りながら、あまりにも理不尽な自分を嫌悪しました。

 

謝れば何してもいいわけじゃないだろ?

母親に怒鳴られた、突き飛ばされた、そういうショックと悲しみは簡単に消えるものじゃないんだよ。

 

…分かっているのに、いざその場面になると感情の暴発を抑える事が出来ないのです。

例え一度は抑えられても、そのフラストレーションが発散される事のないまま、すぐに来る次のイヤイヤの場面であっさりまた怒りの閾値を超えてしまうのです。

最後の夜は、一体この抑えきれない怒りは何なのか、と悶々と考え続けました。

 

勝手な期待

その中でひとつ、思い出しました。

アズキの妊娠中、産後のマメの精神的負担をどれだけ心配していたか。

今まで独り占めしていた親の愛情と関心が妹に奪われ、きっと大きく動揺し傷つくだろう。

それ自体は避けられない事なのだから、せめて私は、可能な限りマメを甘えさせてやろう。

お兄ちゃんなんだから我慢しなさいとか、お兄ちゃんだから出来るでしょ、なんて決して言わないんだと。

 

それがどうだ、何だこの現状は。

確かに「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」と文字通り言った事はない。

でも結局、たった2歳のこの小さな男の子に私が求めているのは「お兄ちゃんとして我慢しろ」って事じゃないか。

 

妹がいない頃はあっさり受け入れていたような要求を、気付けば私はことごとく拒否していました。

もちろんマメはもう自分で歩けるし、靴下も靴も自分で履けます。

突然泣き出して、抱っこするまで泣き止まない、ということだってありません。

おむつ替えの時もちゃんと立っていられます。

そして何より、アズキが産まれた直後の数ヶ月に比べると、妹の存在にもだいぶ慣れ、アズキを押しのけたりすることもなくなり、優しく接してくれるようになりました。

そんなマメの「兄としての成長」に、母親である私の方が甘えてしまっていたのです。

 

でも、「自分で出来るんだから自分でしなさい」って、それは違うんです。

出来るけどしたくない、出来るけどママにしてほしい、それが甘えるってことなんです。

それなのに私は、マメが自分で出来ることは私の手を離れたタスクだと勝手に決め付けて、勝手にマメに自立した姿を期待して、そして勝手に裏切られたように感じて腹を立てていたのです。

 

「いいんだよ、いくらでも甘えていいんだよ。甘えたいだけ甘えてね!」

ほんの半年前まではあんなに心の中で何度もつぶやいた台詞を、かくもあっさり忘れてしまっていた自分に呆れました。

私はなんと傲慢だったのでしょうか。

 

ションボリ

そんな訳ですっかり二人育児の自信をなくした私ですが、そんな事より、マメに怒鳴り散らす事を少しでも減らせるように、この反省を無駄にしないようにしたいと思っている今日この頃です。

 

自分で歯みがきできないか〜じゃあしてあげるよ〜

抱っこしてほしいのか〜してあげるさ〜

ご飯食べたくないか〜食べたくなったら食べればいいんじゃない〜

せっかく着た服を脱いでこっちに着替えるのか〜着替えな着替えな〜

 

なぜか躍起になってあれこれさせようとしていたけれど、改めて初心に戻ろうと思います。

甘えたいだけ甘えておくれと。