Eight Days A Week - 働く母は週8日営業

元DeNAwebディレクター、現在北陸で夫と共にビジネスを営む35歳ワーキングマザー。マメ(息子・6歳)、アズキ(娘・3歳)、フットワークの軽すぎる夫との4人暮らし。

子どもの喘息が伝えようとしていること。

こんにちは、ミユキ(名字)です。


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3歳の息子マメは喘息持ちです。
3歳4ヶ月の時に初めて発作があり、その後2ヶ月に1度くらいの頻度で起きています。
決して高頻度ではないものの、私自身、小さい頃に喘息持ちだったので、発作の辛さは良く分かります。
遺伝したのは間違いないので、やっぱり申し訳なく思います。

先日も、前夜から咳が出がちだった中で保育園に登園させたところ、案の定午前中に電話がありました。
「ずっと咳き込んでいて元気もありません」
とのこと。

ただの咳で熱もない。
でも、喘息の発作は放置すればするほど回復に時間がかかります。
喘息持ちでない子なら、まぁしばらく様子を見ていてもらおう...となるところですが、
これは症状が軽いうちに対処した方がいいと判断し、すぐ迎えに行きました。

保育園に着くとマメはしおらしく床に座っていました。
それほど咳き込んでいるわけではありませんでした。
「お昼ごはんは全部食べたんですよ」と先生が教えてくれました。

でも、表情はとても寂しそうで、それはしんどいからだけじゃないという雰囲気がありました。
なんとなく勘付いていたことだけど、この子は私を待っていたんだ、と思いました。

そのままマメを背負って近くの小児科まで歩いて行きました。
咳はだいぶ落ち着いていて、自ら大きな口を開けて診察を受けました。
吸入は「おいしくない」と嫌がって外そうとしていたけれど、私と看護師さんの説得で何とか受け入れてくれました。

診察が終わったのは13時頃でした。
「お母さんお腹空いたから、ご飯食べに行くの付き合ってよ」と言って、近くのうどん屋さんへ行きました。
待合におもちゃがたくさん置いてあって、マメは魚つりのおもちゃを手に取って、座敷であれやこれやと喋りながら熱心に遊んでいました。
うどんの前に突き出しの小さなお茶菓子が出てきたのであげると、ニヤニヤしながら「あますぎるね」と言って大事に噛みしめていました。
結局うどんも少し食べて、デザートの羊羹も食べました。

店を出た後は、ふらふらと歩きながら、途中の公園で滑り台をしたり、解体工事を眺めながら大きな震動に2人でびっくりしたり、小学校の校庭で落ちている木を投げ合ったりして遊びました。


咳はどこに行ったんだよ、というくらいマメは元気でした。
そんなマメの姿を見て、喘息の発作はこの時間のために起きたんだなと感じていました。


アズキ(娘)が生まれて以来、3人や4人で過ごす時間と引き換えに、随分少なくなった私とマメとの2人だけの時間。
朝のほんのひと時とか、アズキが昼寝している間の30分とかではなくて、まるまる誰にも邪魔されない私たちのための時間。
マメに自覚はないのかもしれないけれど、そして私にも自覚はなかったけれど、私たちはお互いにこの時間を求めていたのだと思いました。


決して、喘息の発作というものがそういう心的要因だけで引き起こされると言いたいわけではありません。
愛の多寡と喘息にはなんの因果関係もありません。
でもマメが今回発作を起こしたのは、やっぱり「ママと触れ合っていたい」というシンプルで根源的な欲求が根っこにあったんじゃないかと思ったのです。
それは科学的に説明できることではなくて、夫に言ってもきっと「まぁそういうのもあるのかもね」と流されてしまうようなことだと思うけれど。


マメが嬉しそうにはしゃぐ姿を見て、私は自分の小さな頃のことを強く思い出しました。
お母さんと2人だけで過ごす時間が大好きだったなぁって。
学校がたまたま早く終わった日に家でお昼ごはんを食べたり、スーパーへ買い物に行ったり、そんな些細なことがお母さんと2人きりというだけで特別なものに感じられました。


必ずしもすべての親子関係が純粋な愛情だけで成立しているわけではなく、両者の間に歪みや嫉妬や恨みがあることも珍しくはありません。
けれど少なくとも私自身は「お母さん」との間にはシンプルな愛情と信頼の関係を築いてきました。というか、母が築いてくれました。
その幸せとこの上ない充足感を私はよく知っています。
だからこそ、同じ幸せを私からもマメに与えられれば最高だなと強く思っています。

そんなことをマメの喘息が伝えようとしてくれているのならば、私はこれからもマメの発作を大切に扱っていきたいし、いつか彼が大きくなって喘息が完治した後も、変わらず彼の発するサインに気付いてあげられる母親でいたいと思うのです。

難しいことかもしれないけど。