Eight Days A Week - 働く母は週8日営業

元DeNAwebディレクター、現在北陸で夫と共にビジネスを営む35歳ワーキングマザー。マメ(息子・6歳)、アズキ(娘・3歳)、フットワークの軽すぎる夫との4人暮らし。

他の人がどうかなんて関係ないだろ?

こんにちは、ミユキ(名字)です。

毎日、育児は大変だなー、めんどくせぇなー、と思いつつも、やっぱり楽しいなー、幸せだなー、子どもがいるって最高だなーとも思いながら過ごしています。
という事で今回は、子どもを授かることについて少し。
 

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photo by Polina
 
私には子どもが二人います。
一人目のマメ(息子)は子作りを始めた途端に妊娠した子でした。
あまりのスピード妊娠に「早過ぎだろ!」と夫と笑い合ったものです。
一方、二人目のアズキ(娘)は妊娠までに少し時間がかかりました。
マメのようにあっという間に授かるものだと何となく思っていた私は、妊娠初期特有の倦怠感まで感じていたほどで、初回の妊娠検査薬で出た「陰性」の結果に心底驚きました。
えっ、なんで妊娠してないの? 
 
そしてその翌月もまた翌月も、検査結果はずっと陰性でした。
そうなると検査可能日が近付く度にいてもたってもいられず、まだ検査には早いと分かっていても我慢できず試してしまいます。
案の定陰性が出ると「やっぱりまだ早過ぎたんだ」と自分を納得させ、
検査可能日に陰性が出れば「今月は排卵が遅れ気味だったかも」と言い聞かせ、
とっくに諦めるタイミングになってもしつこく検査をしてやっぱり陰性が出て…
期待と失望の乱高下。毎月同じことの繰り返しでした。
 
私が毎月何度も検査を繰り返すので、結果を報告する度に夫は「えー、また調べたの?」と少し呆れたように笑いました。
「そんなに焦らないで気長にいこうよ」
というスタンスの夫。
私もそのつもりだったのです。
むしろ二人目を作りたがったのは夫で、私も「まぁ、授かったら授かったで腹をくくって…」なんて思っていたくらいだったのに。
たった数ヶ月の不妊で自分がこんなに追い詰められるとは予想もしていませんでした。
 
いやいや、「不妊」なんておこがましい。
世の中には年単位で不妊治療に取り組む人だっている。
もっと辛い思いしてる人が大勢いるのにたかだか数ヶ月で落ち込むなんて。
当時私は31歳で初産な訳でもない。夫だけじゃなくて他の誰に言ったって「まぁ焦らず気長に」って言われるだろう。
 
そんな風に「悩むほどのことじゃない」と自分に言い聞かせながらも悩んでしまう自分がいました。
また、その気持ちを打ち明けられる相手がいませんでした。
気軽に日々やり取りするようなママ友もいないし、子どものいない女友達に話すような話題でもありません。
また産育休の絡みがある微妙な問題であり、マメの育休から復帰して一年も経っていない身としては会社の同僚には絶対に言えません。
 
そんなモヤモヤに苦しんでいたある日、遂に私は会社の先輩にぽろりと愚痴をこぼしました。
その先輩は私が会社で唯一信用している人であり、独身男性であり、彼になら打ち明けてもいいだろうと思ったのです。
 
先輩と二人で昼休みにランチを食べながら、私は何気ない風に話しました。
 
「いやー、実は今二人目欲しいなーとか思ってるんすけど、なかなか出来なくて、それが今ちょっとストレスなんですよねー。
あ、なかなかって言ってもまだ数ヶ月なんですけどね。
やっぱり授かりものっていうだけあって予測できないじゃないすか、だからこう、検査してダメだった時のショックっていうかガッカリが結構辛いんですよねー。
まぁ、世間にはもっと長い間子供ができなくて大変な思いしてる人もたくさんいるんだし、私なんか全っ然大した事なくて、辛いなんて言うほどの事でもないんですけど」
 
そんな風に、「取るに足らない悩みなんだけど」みたいな感じで言って、
すると先輩は不思議そうな顔をして私に言ったのです。
 
 
「いや、他の人がどうかなんて関係ないんじゃない?
ミユキは辛いんだろ?
だったら『辛い』でいいじゃん」
 
 
その言葉を聞いて私は目がさめる思いでした。
 
そうか、「辛い」でいいのか。
私は「辛い」と言ってもいいんだ。
 
言葉にするとなんてことはないけれど、それはとても意味のある発見でした。
 
子どもが出来ない辛さというのはなんとも言えないものです。
努力で少しずつ前進するものではなく、その都度の一発勝負。
人事を尽くす事はできますが、最後はただ天命を待つしかありません。
ダメだった時は完全リセット、何度繰り返しても「当たり」の確率は上がりません。
 
そんな終わりのない繰り返しを、「贅沢な悩みだ」と自分に言い聞かせながらモヤモヤ我慢する必要なんてないんだ。
辛いなら辛いと受け止めればいいんだ。
 
それは、自分の身体感覚や感情をごまかさず正直に感じとることの大切さに気付くということでもありました。
先輩は、私が自分の感情を変なところへ押し込めようとしていることを見てとって、その事をとてもシンプルな言葉で私に教えてくれたのです。
 
 
もし、「私の悩みなんて○○に比べたら大した事じゃないから」と自分に言い聞かせてる人がいたら、ぜひ言いたいです。
他の人がどうかなんて関係ない。あなたがどう感じるかなんだ。
そして、自分の気持ちをわけのわかんない所へぐちゃっと押し込んでしまわずに、全部広げてよく見て、ありのままに受け止めることが必要なんだと。
そうしたからといって苦しみが減るわけでも悩みが解決するわけでもないと思います。
でも、悩みそのものに加えて「悩むべきでないのに悩んでいる自分」という新たな悩みまで抱えている状況からは解放されて、悩みそのものへの取り組みにフォーカスできる。
つまり本質に迫ることができる。
それだけで大きな救いになるはずです。
 
「世間」とか「みんな」とか、実体の分からないわけわかんないモノにはできるだけ振り回されずに、自分の感じ方を大切にしたいなと思います。
それは決して「ありのままの私を愛する」とか「私は私のままで素敵」だとかのフワフワした自分賛歌としてではなく、
物事を正しく見極めて課題を解決するための合理的な手段として、なのです。
 
 
 

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